光技術の実際

 光技術は、往々にして「最先端」や「次世代」というワードとセットになることが多いですが、既存の技術の延長線上にあるものです。優れた光デバイスの製造には、「優れた設計」、「優れた製造工程」、「優れた品質保証」が必須になります。ときには「優れた材料調達」等も必要になってきます。  

  • 発光:電子 → 光

 LEDを例にとりますと、優れたLEDを作ることは、いかに発光効率のよい半導体構造を設計し、確実に製造できるかにかかっています。LEDモジュールを製造する場合は回路設計の技術も重要でしょう。

 X線源を例にとりますと、陰極からいかに効率よく電子を放出させ、ターゲットにあてるかの技術が重要になります。

  • 受光:光 → 電子

 フォトダイオードは、半導体ですのでLEDと同様です。

  • 変換・伝送:光 → 光 

 光情報通信では、光ファイバーの材料加工と、光信号を処理するデバイス(増幅・スイッチング等)の性能向上が重要です。

 

このように、光技術は既存の設計・製造技術の集合であり、光技術の発展にはこれらの技術の発展が必要であることが分かります。そして、既存の技術は光技術によって発展することももちろんあります。例を挙げますと、半導体のレーザーダイシングです。従来はブレードダイシングだったものが、レーザーによる新しい半導体ダイシング技術に置き換わりつつあります。もちろん、これはレーザーという光技術が加工分野に応用された好例といえます。それだけではなく、レーザーダイシングによってより微細な半導体加工が可能になった結果、より高性能な光デバイスが製造されるようになったのです(MEMSなど)。このように、技術の発展は連鎖してゆきます。当ブログでは、図のようにモデル化しました。

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このように、光技術の応用は、2方向あると考えます。当ブログでは、これら両面から考えていきます。