ドローン×光技術2・・・現状ドローンに搭載されている光技術
前回はドローンの説明に留まりました。今回からはドローンと光技術の関わりについて書いてゆきます。
ドローンに使われている光技術1・・・カメラ
いわずと知れたドローンの標準装備です。小型・軽量のためデジタルカメラが使われます。デジタルカメラは、光学系で集光された光を感光紙のかわりに半導体センサで検出します。CCDイメージセンサーかCMOSイメージセンサーが主流です。ただのセンサではなくイメージがついています。どのような違いがあるのでしょうか。それは二次元で光を検出できる機能があるという違いです。どこが明るくてどこが暗いか分からなければ絵になりませんね。また色も分からなくてはいけません。色は人間の目と同じく、違う色の光を検出するRGBの三種類のセンサを並べて検出しています。
半導体が光を吸収して電流を流す効果は内部光電効果といいます。
半導体にはバンドギャップというパラメータがあり、それぞれ半導体の組成によって異なります。光が半導体に吸収されるためには、そのバンドギャップをこえるエネルギーを持たなければいけません。光のエネルギーは波長、つまり色に反比例します。赤い光を検出したければ低いバンドギャップの半導体を、青い光を検出したければ高いバンドギャップの半導体を用意すればいいわけです。半導体の光センサは、光→電子の技術です。その逆、電子→光は発光ダイオード、LEDと呼ばれます。光センサとLEDは表裏一体の関係にあることを覚えておいてください。
分かっている人には常識かもしれませんが、半導体の原理からCCDセンサの信号読み出しまで、基礎を抑えていると後々便利です。
ドローンに使われている光技術2・・・距離センサ
これはドローンに常備されているものではありませんが、高級機種などには搭載されているようです。ちなみにこの光センサは車の衝突防止センサなどにすでに実装されています。この光センサはTime of Flight:TOF距離センサと呼ばれます。これは光源から出た光が物体に跳ね返って光源の横の光センサに入ることによって、光が物体にあたって跳ね返るまでの時間から物体までの距離を計測するものです。
このように、自分で光を発生させて自分で測定する、という光計測もあります。これをレファレンス測定といい、自分で出す光をレファレンス光といいます。レファレンス光は周囲の関係ない光と混同されてはいけないので、特殊な波長だったり、パルス光になっています。
TOF距離センサは最新のドローンの衝突回避用センサとして実装されています。