ドローン×光技術3・・・新しい応用のアイディア
ここからは、光技術をドローンに応用するアイディアを話していきましょう。もしかしたら、もう既に実用化しているかもしれません。
環境計測
ドローンにカメラを含め、より高機能なセンサを搭載し、人間が行くことの出来ない極限環境のデータ取りをしてもらいます。例えば…
シンチレータパネルを含めた放射能センサを搭載し、福島原発のデータ取りをします。自律操縦で、施設内部まで入れるでしょう。
・洞窟探査
地下の廃坑道や洞窟に人間が入るのはとても危険です。酸素が薄い可能性があるからです。ドローンに酸素センサを搭載してあらかじめ酸素濃度のマッピングをしてもらいましょう。
酸素濃度センサ(光技術ではありませんが…)
株式会社フジクラ | 製品情報 | エレクトロニクス | センサー
←これなんか小型で良いですね
映画プロメテウスに出てきた洞窟マッピングドローンなど、実用化できたら価値が高いと思います。
・大規模建造物ひずみ検査
以前にも紹介したひずみセンサを搭載し、建物や橋の周りをまわることで、壁面にあらわれたひずみを測定します。人では行きにくい橋の裏側などにもドローンは簡単に行くことが出来ます。
この他にも色々な用途が期待できそうです。
セキュリティ
・すでにSECOMなどが研究を始めているそうです。要は、自律型飛行監視カメラというところでしょうか。例えば、施設のゲートに侵入されたら、即座にドローンが数機飛び立ち、各種センサを用いて侵入者を探索、撮影します。
その他
・ドローンに光源を搭載させたらどうなるでしょうか。工場内での材料や製品の加工にも使えるはずです。3Dプリンタに応用すれば、より大きく複雑な構造を3Dプリントできるようになるでしょう。自動車のボディなどのレーザー加工にも将来的には応用できると思います。供えつけの加工機器よりも自由度が増すので、Indutrial4.0が掲げるマスカスタマイゼーションに役立つでしょう(Indutrial4.0についてはまた後に取り上げます)。
市街地や公園などでドローンを飛ばすと墜落して人にぶつかってしまう危険性もあるドローンですが、例えば上にあげたそもそも人が立ち入れない極限環境の計測や、工場内に限定したドローンの使用などは可能性があるのではないでしょうか(規制等の意味において)。
バッテリーの課題や風に流されて墜落してしまう問題などもありますが、それが解決すればドローンの用途は飛躍的に増すと考えられます。光計測デバイス・モジュールを搭載するのはその後だと思いますので、私個人としては引き続きドローン業界の技術動向を注視してゆきたいと思います。