ランプの製造工程-キセノンランプの場合
今回はランプの製造工程についてです。理系の学生が就職活動で光技術の可能性を知り、光技術関連の会社に就職してみたら、人事が語っていた華やかな光技術の活躍とは程遠い、泥臭い製造工程や開発の仕事だった、なんていう事があるかも知れません。光技術の製造は、以前にも述べましたが、既存の技術を利用していますので、光技術について深く掘り下げないで仕事に就くと、そのギャップに驚いてしまうかも知れません。今回はランプが実際にどのようにつくられるのか、製造工程について書きたいと思います。記事を書くにあたって、以下のリンクを参考にしました。
http://www.ckd.co.jp/company/giho/pdf/Vol01/CKDgh_Vol1_05.pdf
用途事例 ガラス加工 水素・酸素ガス発生装置・ガスバーナー機器の製造・販売サンウェル(株)
- ガラス管成型工程
ガラス管を製品に合わせて加熱成型する。図のキセノンランプの形にはどのようにするのでしょうか。以下のリンクに分かりやすい動画がありました。必見です。ランプを製造するにあたって、以下の三つのコア技術があります。
・ガラス加工の技術
・熱関係の技術
・真空関係の技術
これらの技術が製造工程にどう盛り込まれているのでしょうか。ランプの製造工程を順番に見ていきます。
例えば紫外線ランプとして度々登場してきたキセノンランプは、下図のような外観をしています。考えてみると、どうやってこのようなランプを作るのでしょうか。ガラスの構造も単純ではないですし、ガラスと電極をくっつける必要があります。そしてガラスの中は水銀とキセノンの気体で満たさなければいけません。
2.切断工程
ガラス管を製品に必要な長さに切断する。バーナーを用いるそうです。
↓こんな感じですかね。
3.ステム・マウント工程
電極の製作
4.封止工程
バルブと電極を加熱溶着する。
5.排気工程
封止工程後のバルブ内を真空ポンプによる排気と不活性ガスによる置換を行い、真空状態し、その上で必要なガス、キセノンなどを封入する。この工程は品質上最重要工程だそうです。2)のところで紹介した動画をもう一度みてください。3)~5)の工程がまるまる抜けています。大事なところは隠したのでしょうね。
6.キャッピング技術
ランプに口金を取り付ける
7.エージング、検査工程
以上です。排気工程が最重要とは書いてありますが、ガラス加工技術が工程の中心だそうです。現状の技術の解説はリンク先に譲るとして、このブログでは製造工程に光技術が応用可能かを考えます。この図を思い出すことにしましょう。続く
紫外線顕微鏡
前回は紫外線を使ってものに影響を与える用途でした。今回は、紫外線を使ってものを観察する用途、紫外線顕微鏡について説明します。とはいうものの、紫外線顕微鏡は紫外線を光源とした顕微鏡、というだけです。なぜ紫外線を使うのかというと、紫外線を使うと、顕微鏡の分解能を向上させることができるからです。まずは、顕微鏡についてです。顕微鏡には、以下のような種類がありますが、紫外線顕微鏡はその中でも、光学顕微鏡というものになります。
・光学顕微鏡
・X線顕微鏡
・超音波顕微鏡
・バーチャル顕微鏡
可視光線を扱う光学顕微鏡は最初に発明された顕微鏡です。光を物質にあてて反射してきた光をレンズで結像させる反射型顕微鏡と、光を物体に通して観測する透過型顕微鏡があります。
顕微鏡の基礎知識 応用編〜オリンパステクノラボ編纂冊子より抜粋・改変〜 | 顕微鏡を学ぶ | バイオイメージング オリンパス
ではなぜ波長が短くなる光を使うと分解能が上がるのでしょうか。まずは、分解能の定義からです。光学顕微鏡では、分解能は、2つの点光源がお互いにどれだけ離れていれば、2つの光源と認識できるか、という2点分解能をもって定義されます。そして、その公式はレイリーの基準によれば、
σ=0.61×λ/ NA σ:分解能 λ:波長 NA:レンズの開口数
σが小さければそれほど、細かいものがみえるということになります。2点間の距離が小さくても2点と認識できるということですから。また、0.61という定数は、レーザーのように干渉しない光(インコヒーレントな光という)の場合のものです。コヒーレントな光源、パーシャルコヒーレント(部分干渉性をもつ)の照明の場合の公式はそれぞれ、アッベの公式、ホプキンスの公式といいます。
【第3回】顕微鏡の能力 その1 〜分解能と倍率〜 | 顕微鏡の基礎知識 応用編〜オリンパステクノラボ編纂冊子より抜粋・改変〜 | 顕微鏡を学ぶ | バイオイメージング オリンパス
こんな公式があるから、では波長が分解能を決める答えにはなっていませんね。少し掘り下げて調べてみました。以下のブログ様のページを参照して下さい。ファインマン物理学では、その答えとして、次のように説明しているそうです。いわく、分解能とは、2つの点光源からの光がどれだけ時間差をもって目に到達するかの指標である、と。目でものを見るには光が目に到達し、なければいけません。その時間差で2つの光が同じ光源からのものなのか光源が2つあるのかを判断しているそうです。そして、目が光波の振幅のピークで反応するのなら、最小の時間差は1つのピークと隣のピークの間、つまり1波長分光がゆく時間だということです。公式とは違い、イメージで捉えられるのではないでしょうか。
可視光線で一番波長が短いのは紫外線です。従って、可視光を使う光学顕微鏡では紫外線顕微鏡が一番分解能が高いということになります。用途としては工業製品の検査用などがあります。リンク先の顕微鏡では水銀キセノンランプを使っていますね。
オリンパス ニュースリリース: 顕微鏡用深紫外線観察システム「U-UVF248」新発売~0.08μmの高解像能力を提供
ただ、現在は電子顕微鏡など、波長の限界を超えて分解能を向上させる様々な方式がありますので、3Dプリンタに比べると少ない需要かもしれませんね。
UV硬化樹脂、UV接着剤・・・スマホに使われる紫外線技術
前回に引き続き、紫外線の応用を書きます。今回は、紫外線(UV)をあてると硬化するUV硬化樹脂です。その性質から、物と物をくっつける接着剤や、インクと同等の機能をもちます。大まかに、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル・アルキド樹脂などの樹脂が使われているようです。
「UV硬化、光硬化について」
UV樹脂は、例えばスマートフォンやタブレットに利用されています。一番外側(表面側)のカバーパネルとタッチパネル、タッチパネルと液晶パネルの間にUV硬化樹脂を充填して、紫外線を当てて硬化しているのです。PCやTVにも利用が広がっている技術です。
UV硬化樹脂の優位点は次のようなものが挙げられます。
・通常の接着剤や塗料よりも硬化速度が速く、作業時間を短縮できる 数時間→数秒!
・紫外線を照射しないと硬化しないので、塗布工程の制約が少ない。
Etc
ただ、問題点としては、光が当たりにくい複雑な構造をしている材質には使用が難しくなる、ということが挙げられます。
次は、UVインキです。UV硬化技術を印刷に応用したものです。普通のインキは熱乾燥によって素材にインキを定着させますが、UVインキは紫外線の照射によって定着させます。やはり瞬間硬化であり、印刷工程の効率化、省エネ化、小スペース化を実現することができます。紙だけではなく、様々な素材に印刷することが出来、模型の塗装などにも使われています。ただ、印刷の質感は従来の油性インキのほうが優れているそうです。UVインキを使ったインクジェットも普及が進んでいます。
「UVインキについて」
「UVジェットインキについて」
また、UV硬化技術は3Dプリンタにも使われています。3Dプリンタの基本的な仕組みは、作りたい物体を輪切りにして、CTスキャンのように、ある面を作ったら次の面、というように面構造を積み上げていって立体を作ります(これを積層造形法といいます)。この際良く使われるのがUV硬化樹脂です。光を当てると即座に硬化するので早さもあり、なにより紫外線レーザーは波長が短いため焦点スポット径が小さくでき、より微細な構造を作ることが出来ます。
「3Dプリンタ」
3Dプリンタについて|高性能3Dプリンタメーカーのキーエンス【アジリスタ】
3Dプリンタの市場は年々拡大しています。もともとはメーカーのプロトタイプ作成に用いられていたようですが、現在は医療機器や模型などを作るまで発展しています。また、一般の人にも手が届くような値段でamazonに売られています。ものづくりというとメーカーや職人の専売特許だった観がありますが、3Dプリンタの登場で、(大量生産とはいかないまでも)個人のアイディアの具現化としてのプロトタイプ作成が一般層でも可能になるのです。これはとても大きな意味を持ちます。インターネットを介して自分の知識やアイディアを、文章(情報商材)や絵(コンセプトアートなど)、音楽にして売るという産業が出てきている今、プロトタイプを作ることができるようになれば、より個人がビジネスを掴むチャンスは増えるでしょう。このような背景を後押しに、3Dプリンタの市場が拡大すれば、それに使われる紫外線光源・レーザーの需要も高まると考えられます。また、他の多くの製品のように、市場が拡大した末に供給が行き届き、安価になることで市場規模が飽和して拡大しなくなっても、3Dプリンタに内蔵される紫外線レーザーやランプは定期的に交換・校正しなければなりません。これらの「高性能な部品」を作っているメーカーは、長期に安定する企業になり得るかもしれません。
「市場レポート」
紫外線の応用・・・エボラウイルスを殺菌する!
社会のニーズにマッチした製品や技術をデザインするためには、人々の関心の高い事件や事象を精査するべきです。例えば、人間誰しもが恐れる死の病、エボラウイルスです。日本でも、アフリカ帰りの旅行者が発熱すると大騒ぎですね。それだけエボラウイルスは致死性が高く、感染力も強いのです。
そんなエボラウイルスですが、紫外線の照射で殺菌することが出来ます。紫外線はランプと電気さえあれば、様々な照らし方をすることが出来ます。上手く使えば、医療関係者などを通したエボラウイルスの二次感染を防止することが出来ると考えます。
このロボットはキセノンランプと言うものを搭載しています。キセノンランプとは、石英管にキセノンガスを封入したものです。屋内外の大空間における照明に使われているものもあります。発光スペクトル分布は昼間の太陽光に近く、紫外線は太陽光よりも多く持っています。
「キセノンランプの説明 ウシオ電機」
「浜松の光技術専門メーカー 浜松ホトニクスのキセノンランプ」
今どこでエボラウイルスの殺菌用途としての紫外線ランプが使用されうるでしょうか。下手なランプ配置だとウイルスを殺しきれないかもしれません。また、紫外線ランプは数千から数万円するので、そうポンポン買えるものではありませんし、以前述べたように人体に有害ですので、エボラウイルスの存在が予見される場所に、効率よく設置する必要があります。例えば、ギニアやリベリアでまさにエボラウイルスの猛威に立ち向かっている現地の病院です。すでにウイルス陽性の患者に四六時中あてるというのは人体に悪影響だと思われます。有望なのは患者に触れた医師の二次感染を防止する用途だと思います。例えば、防護服のを脱ぐ前に紫外線照射でウイルスを殺菌する、また、水周りにもウイルスが集中すると考えられます。患者が使った食器や便器、洗面器は水洗いをするでしょうし、そのような生活排水にエボラウイルスが混入していると、例えば河川の下流で水に入った人やその水を使った人がウイルスに感染する危険性が高まります。病院の水周りにも紫外線の照射を、そして病院からの生活排水の水質検査も必要です。
エボラウイルスの医療関係者への二次感染を防ぐために、
・防護服の殺菌、及び感染者が触れうる病院各所への紫外線ランプの設置
・病院からの排水にウイルスが含まれていないかの水質検査、及び殺菌
等が紫外線ランプの応用として考えられるのではないでしょうか。
紫外線ランプ
前回の最後に、ランプがまだLEDに完全にとって変わられない領域として、多波長領域と紫外線領域があると説明しました。今回は、紫外用ランプについて書きます。
紫外線とは、波長10~400 nmの範囲の光のことです。つまり、可視光よりもさらに短い波長です。我々が見えるもっとも短い波長の光は紫色なので、その外、紫外線と言われます。紫外線と一口にいっても、いくつかに分類されます。
近紫外線(380~200 nm)
・315~400 nm・・・UV-A
太陽から数%が地表に届く。皮膚に作用し、シミ(実は日焼けが酸化したもの)、シワの原因となる。
・280~315 nm・・・UV-B
太陽から0.数%が地表に届く。日焼けの原因となる。ビタミンDを生成する作用もある。
・200~280 nm・・・UV-C
オゾン層のおかげで地表には届かない。生体に対して最も有害。
遠紫外線・真空紫外線(10~200 nm)
酸素分子や窒素分子に吸収されるので、真空中でないと伝播しない。
なにやら恐ろしい感じです。波長が短いので、その分エネルギーも高く、与える影響も大きいということですね。次は紫外線ランプの発光モデルの一例を見てみましょう。
紫外線ランプは放電型ランプです。ランプの中にはアルゴンガスと水銀ガスが封入されています。ランプの両端の電極に高電圧をかけると、管内の電子が陽極に強く引かれてアルゴンと衝突します。電子の衝突により陽イオンになったアルゴンが陰極に衝突し、陰極から二次電子をたたき出すことで放電が始まります。放電された電子によって水銀原子の電子が励起され、紫外線が放出されます。
「紫外線ランプについての資料」
http://www.okayaelec.co.jp/catalog/uv/lamp/p3.pdf
「水銀が発する紫外線」
「水銀の発光スペクトル」
Author: John Hamann License: CC by-sa 3.0 2.5 2.0 1.0
File:Visible spectrum of mercury.jpg - WikimediaCommons
「水銀ランプの紫外線スペクトル」
紫外線が水銀原子から発生したはよいものの、ガラス管の外に出なければいけません。そこで、紫外線を通す特殊な窓材使用されます。よく使用される窓材は、UVガラス、合成石英、MgF2などです。
ランプの構造のイメージはついたでしょうか。次は、応用先についてです。
紫外線ランプを含む紫外線光源の応用のされ方は次の2パターンがあります。
1、紫外線を使って対象物を分析、測定する
2、紫外線を対象物にあてて作用を起こす
この2パターンは全ての光源に共通します。分かりやすく言えば、光を当ててものを見るか、光を当てることでものの性質を変えてしまうかです。まずはパターン1の実例を見てみましょう。紫外線ランプを製造しているメーカーのHPを見れば、
・液体クロマトグラフ
・分光光度計
・吸収光度計
・膜厚系
・半導体検査装置
・水質、大気等の各種環境分析装置
次はパターン2です
・水や空気の殺菌
・水の浄化
・半導体洗浄
・半導体の回路パターン焼付け用光源
・UV改質
・UV硬化樹脂用光源
いくつかのメーカーのHPを調べただけでもこれだけの応用があります。紫外線LEDの応用先もこれと同様です。紫外線の持つ応用可能性は多岐に渡ります。次回以降は、以前にも紹介した下の図に則って、紫外線ランプを含む、ランプがどのように作られているかを掘り下げると同時に、紫外線ランプの応用先にはどのようなものがあるかを広げてゆきたいと思います。
ランプの概要
人口の光のなかで、人類と一番長く共に過ごしたのは、炎の明るさでしょう。人類が人類になったときから、炎は焚き火、ロウソク、カンデラと形を変えつつ我々の暮らしを照らしてきました。やがて電気が日常生活で使われるようになると、(電気を光に変換する)ランプが登場しました。私が子供の頃は白熱電球を発明したのはトーマス・エジソンであると教わりましたが、実際はジョゼフ・スワンという人が発明し、エジソンは商用化したのだそうです。
発光素子としてのランプは、熱輻射型と放電型のものに分けられます。身近な(だった)白熱電球は熱輻射型に分類されます。蛍光灯等が放電型のランプです。
「ランプの分類」
熱輻射型は、金属に熱を与えたときに発生する電磁波を用いるものです。金属だけでなく、物体は全て温度を持っているので電磁波を出しています。TVでサーモグラフィーというものを見たことがあると思います。人間の体が赤く映ったりするアレです。人間から発生する電磁波は、人間が視ることの出来る波長よりも長い(赤外線という)ので、特殊なカメラを使わなければ見えませんが、ランプのフィラメントの温度はとても高いので、人間が見える波長の電磁波を発生させるのです。ここで、光量子の式を思い出して下さい。
E=hv=hc/λ
光量子のもつエネルギーEは波長λに反比例します。長い波長の光ほどエネルギーが低く、短い波長の光ほどエネルギーが高いのです。
一方放電型は、ランプの中に封入されたガスに放電(バチッというやつ)をして、ガスの気体分子にエネルギーを与えます。気体に電気エネルギーが与えられると、気体の周りの電子がそのエネルギーを貰い、より高いエネルギー状態になります。電子は、もといた軌道(原子核を回るコース)から、より高いエネルギーを必要とする軌道に飛び移ります(励起するという)。せっかく飛び移ったのですが、電子はまたもといた低い軌道に戻ってしまいます。このときに、光としてエネルギーを放出するのです。このような光の特徴は、一定のエネルギー値を持っていることです。軌道と軌道のエネルギーの差は一定だからです(電子と陽子の間に働くクーロン力から、ある軌道の持つエネルギーはある一定の値を持ちます)。従って、放電型ランプからどのような波長の光が出たか調べると、下図のように飛び飛びの値になるのです(スペクトル図という)。
ご存知のとおり、家や町の電球は今LED電球に変わりつつあります。それどころか、環境への負担から白熱電球の製造を抑止すべく各国が動いてさえいます。今後、発光素子は全てLEDに変わる方向性になるでしょう*。しかし、広い波長域を一度に出す用途や、半導体素子で出すのが難しい紫外光の領域ではまだランプが現役で使われています。
*今すぐというわけではないようです。
リンクを参照しますと、思ったようにLEDの置き換えが進まず、2017年まで世界のLED市場は横ばいだそうです。LEDのランニングコストは安いのですが、交換にかかる費用が高いそうです。
光技術の実際
光技術は、往々にして「最先端」や「次世代」というワードとセットになることが多いですが、既存の技術の延長線上にあるものです。優れた光デバイスの製造には、「優れた設計」、「優れた製造工程」、「優れた品質保証」が必須になります。ときには「優れた材料調達」等も必要になってきます。
- 発光:電子 → 光
LEDを例にとりますと、優れたLEDを作ることは、いかに発光効率のよい半導体構造を設計し、確実に製造できるかにかかっています。LEDモジュールを製造する場合は回路設計の技術も重要でしょう。
X線源を例にとりますと、陰極からいかに効率よく電子を放出させ、ターゲットにあてるかの技術が重要になります。
- 受光:光 → 電子
- 変換・伝送:光 → 光
光情報通信では、光ファイバーの材料加工と、光信号を処理するデバイス(増幅・スイッチング等)の性能向上が重要です。
このように、光技術は既存の設計・製造技術の集合であり、光技術の発展にはこれらの技術の発展が必要であることが分かります。そして、既存の技術は光技術によって発展することももちろんあります。例を挙げますと、半導体のレーザーダイシングです。従来はブレードダイシングだったものが、レーザーによる新しい半導体ダイシング技術に置き換わりつつあります。もちろん、これはレーザーという光技術が加工分野に応用された好例といえます。それだけではなく、レーザーダイシングによってより微細な半導体加工が可能になった結果、より高性能な光デバイスが製造されるようになったのです(MEMSなど)。このように、技術の発展は連鎖してゆきます。当ブログでは、図のようにモデル化しました。
このように、光技術の応用は、2方向あると考えます。当ブログでは、これら両面から考えていきます。