光技術の分類
当ブログにおいて、以下のように光技術を分類します。光技術(発光、受光技術など)と、それの応用を明確に区別しているところに留意願います。
- 発光:電子 → 光
- 受光:光 → 電子
- 変換*・伝送:光 → 光
*変換とは、入力光を、進行方向、波長、偏光、コヒーレンス等のパラメータの異なる出力光に変換する技術を指します。
具体例を挙げてみましょう。発光の技術を体現している製品は、ランプ、LED等があります。そしてその応用先は、屋内外の照明、電光掲示板、ディスプレイが一般的です。製造現場では、UV硬化樹脂用のUV光源、植物栽培用光源、非破壊検査用光源が応用先として挙げられます。医療分野では、レントゲン用のX線源にも、発光技術が用いられています。
「色と波長の関係 波長の単位は nm 」
Author: Maulucioni, basado en un trabajo de Megodenas License: CC by-sa 3.0
File:Spectrehorizontal.png - Wikimedia Commons
「電光掲示板 青色LEDが開発されてから、全ての色が表現可能になった」
山善(YAMAZEN) LEDプランター お部屋畑 家庭菜園(室内栽培)セット YLP-28
- 出版社/メーカー: 山善(YAMAZEN)
- メディア: Tools & Hardware
- この商品を含むブログを見る
次に、受光技術を体現しているのは、光センサー、そして太陽光電池が挙げられます。太陽電池の用途は発電です。一方、光センサーは、光を感知すると電流が流れる素子のことですが、応用先は様々です。身近なところだと、自動ドア、車のリモコンキー(波長は電波領域ですが)等に用いられています。その他、大まかに言うと、医療・バイオ、セキュリティ、各種製造工程における検査・測定、自動車(今後、自動運転が普及するとさらに需要拡大か)、情報通信、光メモリー等々です。実は、応用先が膨大にあるはずなのにいまいち活かされていないと思うのが、光センサを基にした光計測という技術分野なのです。光計測は、今後当ブログの柱になるでしょう。
「セキュリティに用いられる受光・発光技術」
「太陽光電池」
変換・伝送の技術としては、やはり情報通信に不可欠な光ファイバーが身近です。これは伝送の技術です。変換の技術としては、偏光板という、縦・横どちらかの偏光しか通さないものや、非線形光学結晶を用いて光の波長を変換したり、偏光の向きを変える技術があります。少しややこしいので、これは個別に取り上げていきたいと思っています。
長くなりましたが、ここで言いたいのは、光技術は結局先に述べた三つに分類できるということと、その応用は私たちの日常に深く結び付いているということです。光技術関連の先端技術のニュースを見ていると、高度すぎて何のことやらさっぱり分からないこともあるかもしれません。しかし、三つのカテゴリーのどれに属しているかを考えると、少なくとも技術の概要(何が新しいのか、応用先はどこか等)はつかめると思います。先端技術は当たり前ですが、難解なものが殆どです。原理をつきつめてゆくとキリがありませんし、それは研究者でない限りはあまり重要ではありません。先端技術の新規性・進歩性・影響をシンプルに捉えることは、先端技術の期待度や投資する価値があるかどうか等の判断の一助になるでしょう。